こんにちは黒部です。
機械設計エンジニア 歴10年になります。そんな僕がプログラミングを始めた理由について話したいと思います。結論からいうと特に理系の仕事に有益です。
機械設計者がプログラミングを始めた理由【理系の仕事に有益です】
大学では機械工学を専攻し、主に機械力学、熱力学、材料力学、流体力学などを勉強していました。そのまま専攻通りに大手メーカの開発部門に就職し、新商品開発および機械設計担当になりした。
私の新人時代の業務の流れはこんな感じでした。
・実験計画を立てる
・実験をする
・結果を分析して結論付ける
・分析結果を設計にフィードバック
会社にもよるかもしれませんが、最初は実験が一日の7割を占めていました。
その為、いかにして効率良く実験を行い、論理的に結果を分析し、適切に設計にフィードバックするかが重要でした。
結論:理系の仕事に付加価値が生まれる
入社して4年目の時でした。
私は試作品の評価実験を次のように行っていました。
1.製品を作動させる
2.結果をカメラで撮影する
3.写真をパワポに貼って評価〇△×を記入
結果は可能な限り定量的に示さなけらばいけないことも理解していましたし、これを評価条件を変えて何サイクルも繰り返さないといけないことにも面倒くささを感じていました。詳しくは言えませんが、その実験結果は電流値やトルクや荷重といった物理量では測れないようなもので、イメージは100個以上の傷跡のようなものが残るのでそれをカメラで記録していました。

本来ならば100個以上の不定形の傷跡のようなものの位置,面積,個数を定量的に記録するのが完璧な姿なのですが、当時の私は定量的に示すことは不可能だと思っていましたし、改善しようとも思っていませんでした。
ほどなくして新入社員のA君が同じ課に配属され、私がその子の指導係となったのでA君に評価実験のやり方を説明し、この業務をまかせました。
A君にまかせて1週間程経過したころ、実験方法を次のように改善していました。
1.製品を作動させる
2.作動から結果までの一連を動画で撮影する
3.動画をA君自作のプログラムに読み込ませる
4.実験結果が定量的にエクセルに出力される
出力される結果は試作品が作動してから傷跡が何ミリ秒後にどのくらい発生したかや、どの位置にどのくらいの面積でできるかを数値として表されていました。私がパワポに写真を一枚一枚貼るよりも5倍速く、有益で定量的な情報を記録したのです。

定量的に結果を記録することは技術者として相当大切なことで、〇×判定では技術の蓄積とは言えません。A君の出力結果をもとに試作品の改善点が明確になり、さらには結果がまとめて自動出力されることでPDCAサイクルが格段に速くなりました。
この件がきっかけで、私は画像処理という分野に大変興味を持ち始めました。
機械設計エンジニアからしたらまったくの畑違いの分野だと思っていたものがこんなにも自分の業務に役立ったことに驚いたからです。よく思い返してみると、過去の試験だったり設計計算していたこともプログラミングで自動化したり定量的に表現できそうなことが沢山ありました。

また、MATLABのようなプログラミング言語をを用いた設計分析ツールや設計自動化ツールなどが着々と設計現場に進出してきており、この時期は仕事の進め方やキャリアについて真剣に考えました。
このまま機械設計のみにコミットし、プログラミングに苦手意識を持ったままでは必ず時代に取り残され、生産性の低い作業に追われる日々が来るだろうと考えました。
以上が機械設計者の私がプログラミングを始めた理由です。皆さんも機械設計の分野に限らず、自分の今の業務,キャリアを考えた時、プログラミングで何か自分に付加価値が付けられないかを考えてみて下さい。
ここまで読んで頂きましてありがとうございました。