■メカデザイン

機械設計の新人が勉強すべきこと

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 こんにちは黒部です。
今回は機械設計の仕事を始めた新人に向けてまず勉強すべきことを解説します。

私は現役の機械設計エンジニアで大企業に勤めていますが、新人時代にはかなり勉強しました。本記事の内容は、その経験にもどづいて執筆しています。

機械設計の新人が勉強すべきこと

結論はこの3つです。

  • 機械加工の理論
  • 測定の理論
  • 計測器の理論

しっかり勉強すると仕事の速さと質が全然違ってきます。

機械設計の仕事においても『はじめが肝心』です。
いい技術者人生のスタートが切れれば
その後の成長、昇進に大きく影響します。

機械加工の理論を知れば怖いものなし

まず私は新製品を開発する部署に配属され、
量産品に近い次期型製品の開発担当になりました。

大学では4大力学の「機械力学」「材料力学」「流体力学」「熱力学」を学び、その他にも「電気工学」「物理学」「機構学」「制御工学」などの基礎はかなり勉強しました。

しかし新人の仕事と言えば、実験です。
はじめは試作品の性能評価ばかりやらされ、性能評価がちゃんとできるようになってくれば製品設計の仕事が与えられてきます。

実験のステップは、
『計画立案』→『治具設計』→『実験』→『分析考察』
といった流れで進んできます。

まず何度も先輩や上司に指導されるのがこの治具設計です。

治具というのは実験をする際に試作品を保持したり計測器を固定したりする補助器具です。

ほとんどの技術者が図面作成でつまずき、時間を取られ、こんな簡単そうな仕事で怒られる自分が嫌になります。

指導されるほとんどの内容は
『こんな形は作れない』『作りにくい』です。

さらには試作現場の怖いおじさんにも同じことで怒られます。それが嫌で図面作成がダルイ→仕事が嫌になる→仕事の質が下がる。といった悪循環になることもありました。。

原因は機械加工の理論を知らないからです。

機械加工とは主に旋削加工、フライス加工、穴あけ加工などの切削加工をいいます。

治具設計といえど、機械加工の知識を求められます。

ではどうやって勉強すれば良いかですが、この本を読めば新人の機械設計者に求められる加工知識のほとんどを学べます。

設計者に必要な加工の基礎知識―これだけは知っておきたい機械加工の常識 (実際の設計選書)
著者 : 稲城正高 米山猛
日刊工業新聞社

更にもう一つ大事なことは、
実際に加工しているところを見る事です。

これめちゃくちゃ重要です。

自分が設計した物が作られる様子は必ず見て下さい。
ほかの仕事が詰まっていても、時間を作って見ましょう。百聞は一見にしかずです。本に書いてあることが腑におちるようになります。

私はこれを徹底していたので同期の設計者に比べて設計センスは良いという自負があります。

測定の理論を知れば図面の質が桁違い

 治具設計で次につまずくのが、またまた図面です。

今度は図面の『寸法・公差・幾何公差』の入れ方です。

指導されるほとんどの内容は
『こんな図面は成立しない』『作りにくい』です。
更には試作現場の怖いおじさんにも同じ内容で怒られ・・・・以下省略

図面には2つの視点で寸法と公差を描きます。

①作る物の機能を意識して描く。

②作る物の加工と精度測定を意識して描く。

①はわりと機械設計の新人でもすぐ意識して図面を描けるようになります。

新人が直面する困難は②が分からないことです。

加工したものの出来栄えを測定する、測定の理論を知っていないとこれまた仕事ができません。

測定できないものは設計通り、つまり図面通りにできあがっているか確認できないので、そのようなものは作ることができない!と怒られます。

ではどのように測定の理論を勉強すれば良いかですが、こちらも先程に紹介した本で大枠は学ぶことができます。

しかし私が新人時代から技術者として仕事をしてきた中で一番のお勧めは3次元測定機の測定原理を学ぶことです。

3次元測定器はこんな感じ。

測定している部分はこんな感じ。
棒の先端の赤球で対象物の精度を測定します。

多くの測定装置が世の中には存在しますが、この3次元測定器について学ぶことで、どのように測定されるからどこにどういった寸法、公差、幾何公差を入れたら良いかのイメージがかなり出来る様になります。

 治具程度では3次元測定器を使って測定しないこともありますが、3次元測定器で測定することを前提として図面を描けば、『測定できない』『測定しにくい』などど言われるようなことは無くなります。

計測器の理論を知れば仕事の質が爆伸び

最後に重要なのは計測器の理論を知る事です。

治具が完成したら試作品の性能評価です。電流値や荷重などの様々な物理データを測定します。

ここで新人はどう怒られるかというと、

『測定精度が悪い!』『測定の仕方が間違っている!』

です。この原因は計測器の理屈や細かな仕様を理解していないからです。結果として実験に時間がかかったり、本当に新人によくあるのは全てやり直すという辛い作業です。

ではどうすれば良いのかというと、

機械設計において主な測定項目といえば、
電流電圧波形、荷重、圧力、温度、騒音振動なので、

キーエンス、オムロン、小野測器という計測器メーカーのホームページをチェックして計測の理論を勉強すればOKです。まずは直近で使いそうな計測器から調べて、測定できる理屈から細かな仕様までしっかり目を通しましょう。

そうすることで仕事の質が大幅に上がります。
理想としては「もっとこういう測定や実験をした方が正確に評価できます」という提案をこちらからできると良いですね。

おわりに

以上が機械設計の新人が仕事で遭遇する困難な局面とその対策方法です。

これらを勉強したとしてもはじめは失敗もします。
私も勉強しましたがある程度は失敗しました。

しかし失敗した時に事前に知識をもっているかどうかで、自分への経験値のフィードバックのレベルが違うということを私は技術者人生の中で学びました。

更には即行で治具設計&実験を終わらせることが出来れば、早い段階から製品設計の仕事を与えられるようになり、エンジニアライフの好調なスタートがきれますので是非とも『機械加工の理論』『測定の理論』『計測の理論』についてしっかり勉強しておくことをおすすめします。

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